ローファーにはさっと履いて出かけられる手軽さがあります。紐靴と違い足首周りが覆われていないので、涼しげなところも魅力です。
そんなローファーに華やかさをプラスするのが、パティーヌ仕上げです。パティーヌ仕上げとは、色を何度も塗り重ねて表現する技法を指します。一足一足、職人の手によって手染めされており、その仕上がりには何年間も履いたような深い表情があらわれます。
今回は、ローファーのなかでも、鮮やかなパティーヌ仕上げが施されたローファーにスポットライトを当てたいと思います。
#01
ローファーの定番のデザインとも言えるコインローファーに、ボルドーとブラウンでパティーヌ仕上げを施した一足。
甲のストラップや、履き口からグラデーションのように色付けがされており、アンティーク家具のような味わいのある表情です。
茶系の色味なので、いろんな服装に合わせやすいところも魅力です。派手すぎない、落ち着いた色のパティーヌシューズをお探しの方におすすめです。
#02
透き通ったブルーのパティーヌが特徴のタッセルローファーです。
ムラ感のある仕上がりの秘密は、パープルカラーを混ぜていること。ブルーの一色のみではこの絶妙な色味を出すことはできません。多彩な色彩を生み出す、パティーヌの技術力が詰まっています。
また、珍しい「オパンケ製法」が採用されており、靴の側面に走るステッチワークがパティーヌ仕上げのインパクトをより一層引き立てています。
#03
明るめのブラウンでパティーヌ仕上げされたタッセルローファーです。
履き口周りやかかと、つま先は少し濃い目のブラウンで色付けがされており、立体感のある仕上がりとなっています。
つま先はシンプルなプレーントゥ。甲に取り付けられたタッセルは比較的小さく作られており、パティーヌの経年変化をより一層楽しむことができます。
#04
パープルでパティーヌ仕上げがされたヴァンプローファーです。
ヴァンプローファーとは、コインローファーやタッセルローファーと違い、甲の部分に装飾がついていないローファーのことを指します。
淡い紫色で染められており、独特な色味は「桜」を連想させます。
全体に穴抜き加工がされているため、風通しがよく夏場など暑い季節にぴったりの一足です。
#05
グラデーションのようなパティーヌで仕上げた、ウィングチップのタッセルローファーです。
甲の部分はグリーン、ヴァンプはイエロー、そしてつま先とヒールはブラウンと、落ち着いた優しいアースカラーで染められています。
革はもともと動物の皮からできた自然由来のものなので、同じように色付けをしたとしても、全く同じ仕上がりにはなりません。それゆえ、さまざまな色をおり混ぜて色味を表現するには、非常に高い技術が求められます。
3 色もの色を操って仕上げられる、技術力の高さが見て取れる一足です。
#06
最後に紹介するのは、ブラックとグレーでパティーヌ仕上げがされた一足です。
パッと見た印象は黒に近いですが、よくよく見ると深いグレーで染められていることが分かります。黒のレザーを使用するよりも、上品で色に奥行きが感じられます。
定番のコインローファーと似たデザインですが、ストラップに切れ目が入っていません。その色とデザインから、洗練された印象を受ける一足です。